・・・ 般若心経の一節
迷いの心から 世の中をさかさまに見る
<解説>
私たちは 世の中の在り様を きちんと見ているようでいて
そのじつ何も見ていないのに等しい
迷いの心が妄想を生み 幻覚をつくり出し 世の中をさかさまに見ているのだ
仏教ではこれを 「顛倒」 と呼び 次の四つをあげている
(涅槃の四徳 : 常楽我浄をさかさまにとらえている)
無常の世であることを忘れ 「常」 だと思っている常顛倒
苦の世界なのに 「楽」 とみている楽顛倒
自分という 「我」 があると錯覚している我顛倒
汚れたわが身を 「浄」 と錯覚し それに執着している浄顛倒
こうした顛倒を払いのけた心の状態が 禅でいう “空” である
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