自分が今 何をやっているのかを よく考えよ
<解説>
唐の禅僧 ・ 石頭希遷(セキトウキセン) が修行中のある時
兄弟子と一緒に山作務(ヤマサム:山作業) に出かけた
ところが 愚かな兄弟子は 山作務に必ず持参すべき山刀を忘れてきた
「ちょっと山刀を貸してくれ」 といわれた石頭は
「そら 受け取れ」 と刃の方をわざと差し出した
驚いて 「おいおい 柄の方を出してくれよ」 というと 石頭は言い返した
「柄が何になるというのだ 必要なのは何じゃ・・・」 と
柄の方を差し出すのは世の常識である
この話は常識か否かを問う事例で引用したのではない
人は皆 ある環境にどっぷりと浸かっていると志を忘れ
本当に自分が何をやっているのか判らなくなる
やがてそういう人間は 「柄だ刃だ」 と 「枝葉末節」 にこだわる
「最も肝心なことが何であるか」 そのことを忘れて
事象現象にこだわり 「あれこれ」 というのは本末転倒である
「肝心なことを忘れるな!」 と 石頭は言いたかったのだ
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