親心は 時に子供にとって辛く苦しいこともある
<解説>
「往生集」 を書いた平安末期の僧 ・ 恵心僧都が あるとき庭に鹿が来て
草を食べていると 追い払うよう命じた これを見ていた人が不審に思い
「お坊さんなのに慈悲心がない なんで鹿を悩ますのか」 と聞いた
すると僧都は 「可愛がるだけは 鹿が人間を怖がらなくなり 結果として
悪人に殺されるかもしれない だから追った」 と
後々に 道元禅師は 「高徳の人の考えには 凡人の量り知れぬことあり」 と
上の話を引用して教えを説いた
高徳の人に限らず 私達の周囲にはその奥深い真意を知らず 表面的な言葉だけで
相手を怨んだり 反発することがある
野生の動物を独り立ちさせるには 親は本気で噛みつき
何度も追い払い外敵の恐ろしさを教える
「獅子は子を谷に落とす」 とか 「可愛い子には旅をさせよ」 とか言う
最近 一部の若者に 考えや行動ともに何がなんだか判らないくらい
突飛 ・ 粗暴といった光景によく出会う
彼らの行動が批判されても当然であるが 併せて
「その子供を育てたのは親であり」 「その社会環境を作ったのは大人である」
子には判らない親心があることをはじめとして 他人とのかかわりの中でも
相手の真意 ・ 深い配慮を汲み取る心掛けを忘れないようにしたいものである
その心構えがあって 親として厳しくても効き目がでる
今時の親は子が怖く 上手な叱り方が出来ないのか?
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