もともとこの世は じっと堪え忍んで生きる世界である
<解説>
「ならぬ堪忍 ・ するが堪忍(奈良の観音 ・ 駿河の観音)」 という諺があり
「韓信の股くぐり」 という故事もある
洋の東西を問わず 我慢 ・ 忍耐 ・ 堪忍の大切さを説いたものは数多くある
それは 「この世は折り合って生きていかねばならぬ世界だ」 ということを
体験的に語り伝えてきたからであろう
仏教では この世を “娑婆(しゃば)” というが
サンスクリット語の “サハーニ” の音訳で 意訳すれば 「堪忍土」 ということである
突き進むだけでなく 押されるがままでもなく 相互の主張と認識によって
三歩突き進んだら二歩さがる 「堪忍」 が大切である
「キレる キレた」 と 世間を騒がし暴れまわる若者もおれば
「登校拒否 ・ 出社拒否」 と世間から逃避する人もおる
いづれの場合も 「この堪忍」 が不足して 結果として 疎外感に陥っている
ただ 押されるがままに後退して みの虫のように我慢せよと言うのではない
「進むとさがるが一つになれ」 ということである
娑婆に住む以上は
「娑婆の環境に適合せよ 適合して精一杯生きよ
逃げたり 暴れたりせず 柔軟に生きよ!」 といいたい
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