出会いから 一切が始まる
<解説>
仏は 大慈悲心によって万人を救済してくれる存在だ と仏教は教えている
しかし 本当に名も無い一人一人の民全員を救ってくれるのだろうか?
この疑問に 京都天竜寺の開山夢窓国師は 「仏の能力にも限界がある」 と
実にはっきり答えている
「仏には一切のことに みな自在を得たまえりといえども
その中に三不能といえることあり 一つには無縁の衆生を度することあたわず
二つには衆生界をつくすことあたわず・・・略・・・」 と
つまり いかに仏が偉大であっても 縁なき衆生はどうすることも出来ない
衆生が仏・心よき人格者に出会い 教えを受ける機会を得てこそ初めて衆生は救われる
この世には無数の人間がおり これからも次々と生まれてくる
過去現在未来にわたって 迷える人間の数は無限である
それらの全てを救い尽すことは 不可能なことである と言うのである
ここで 「縁」 とは 「出会い」 である
自分から積極的に出会いを求めなければ 救いは得られない
だから どんな些細な出会いも大切にしないといけない ということである
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