いまこの場の出会いも 過去 ・ 未来につながる出会いである
<解説>
「旅の恥はかき捨て」 ということばは 人間の 「縁」 を無視した暴言に近いものである
本来人間は どこまでいっても 「袖振り合うも多生の縁」 なのである
「多生」 は 「他生」 とも書き 若干意味が異なる
旅先で人とほんのわずか袖が振れ合う縁でも
今の自分が長い間生まれかわり 死にかわりしてきたからで
双方前世からの浅からぬ因縁で結ばれている というのが 「多生」 だ
一方 「他生」 は 「未来に対する縁」 のことだ
つまり来世でも現在のように出会う間柄を意味する
いずれにしても 「今の縁を大切にせよ」 という教えなのである
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