つ じ 説 法

 
          <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」 佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」 ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とっておきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にしたしむ」 小堀卓巌 著
                         
                                 など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「生飯(さば)」                   2008年12月01日 NO・084
 
 
食べるときは 食べられない人 歩くときは 歩けない人のことを考えよ
 
 
<解説>
 
キリスト教では 食事の前に 食事できることのありがたさを 主に感謝する
 
仏教では だれにともなく感謝する
 
正確に言うなら 「あまねく一切」 に感謝する
 
天地に満ちるものすべてに対して・・・ここに仏教の基本精神がある
 
仏教では 人間を 人間という理由だけで特別扱いしない
 
鳥獣虫魚も 衆生の要員と同じ生命があることに変わりない
 
 
僧は食事をするにあたって あらかじめ 二〜三粒のご飯を取り残しておく
 
そして食事が終れば それを鳥獣虫魚が食べれるように生飯台に置く
 
「くれてやる」 のではない 「たべていただく」 という作法である
 
 
もとより僧は粗食であり 少食である その粗食少食の中から あえて取り分けるのは
 
仏教精神の発露であり 僧としての心意気である
 
とかく我々は 自分さえ 家族さえ食べられれば それでよしと考えがちである
 
仏教においては たとえ山海の佳肴が目前にありといえども
 
飢える人が一人でもあれば箸はとらない
 
 
けれども 現実においては 地上の飢える人すべてに たちどころに食を施すことは
 
無理なので せめて精神だけは守ろうと 二〜三粒の飯を取り分ける
 
現実の手助けがその時できないなら せめて食べるとき 歩くとき
 
食べられない人 歩けない人のことを考えるようにしたい
 
 
 


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最終更新日:2010/11/15