長所だけの人も 短所だけの人もいない
<解説>
人が人に劣等感を抱くとき
たいていは 自分より相手のほうが何事も優れているように見えてしまうことが多い
自分がとるに足らないように見えてくる そしてますます差がつくのである
しかし これはほとんどの場合 大きな錯覚に基づいている
法句経の中に
「沈黙している者も非難され 多く語る者も非難され 少なく語る者も非難される
世に非難されないものはいない ただ そしられるだけの人
また ほめられるだけの人は 過去にもいなかったし 未来にもいないだろう
もちろん現在にもいない」 とある
黙っていても しゃべりすぎても 非難しようと思えば非難できる
では 中間をとって少ししゃべるというのはどうか
実は これも非難の対象になる なまじ少ししゃべるから誤解を受ける
どうせなら 黙っているか もっとしゃべろと言われる
要するに 人間 非難をまぬがれる長所だけの人はいないし
非難だけを受ける短所だけの人もいない
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