精進とは努力の意味である
在家の修行者も月のうち八日間は出家者と同じ心掛けで生きるという日が
設けられていた
食事も その間はなまぐさいものをいっさいとらないようにした
それが精進料理である
努力 精進といえば 根性ということばがすぐ出てくる
モーレツ社員という言葉でもてはやされた高度経済成長時代あたりから
このことばがさかんに使われるようになった
一般に根性は 努力や精進と不可分の肯定的な意味で用いられるが
大阪方面ではもともと「根性わる」などといって 悪い意味の方が強かった
高校野球でよく見るシーンに一塁へのヘッドスライディングがある
掛けぬけるほうが速いのに 真っ黒になってまですべりこむ
それが根性のあらわれとして称賛される
駆け抜ければセーフの 確率が高いのに すべりこんでアウトになり それがほめられる
おかしな話である
選手は懸命にやっているのだから 責められないが
そういう「根性教育」は間違っているのでは?
合理性を否定した野蛮な精神主義で いわゆる根性を 植え付けようとするやり方
こんなものは仏教では 本当の精進とも努力とも認めない