つ じ 説 法

 
           <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」  佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」  ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とって おきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にした しむ」 小堀卓巌 著
                          
                                  など、 主要新聞記事を含む
 
 
   少欲知足(しょうよくちそく)            2016年02月01日 NO・256


物がなければ
物にわずらわされることはない



<解説>

今の世の中 まじめに働いてお金を残すことは

美徳でこそあれ 恥ではない

庶民はせっせと  小金を蓄え 金持ちは税金対策に腐心する           

だが あの世へ行くときはみんな手ぶらで 何も持って行くことはできない


越後の禅僧・良寛は 生涯寺を持つことなく そまつな庵で 暮らしたと伝えられる

ある日 この庵に旅人がやってきて 一夜の宿を所望した           

良寛は旅人を温かく迎え入れ 足を洗うための水を運んでやった

また 日暮れ時ともなれば夕餉の粥をつくり 旅人の空腹を 満たしてやった

そして翌朝 旅人が顔を洗うための水を 運んでやるが 旅人はその容器を見て驚いて言う

「これは昨夜粥をつくっておられた鍋ではありませんか?」

「ああ そうだよ」「では きのう私が足を洗わせてもらったのも この鍋ですか?」

「ああ そうだよ」と良寛はすまして答える

「さあ早く顔を洗っておくれ この鍋で朝粥をつくらにゃならん」と


つまり 良寛の家財といえば たった一つの この鍋だけであった

物がなければ 物にわずらわされることはない

徹底した無所有----「少欲知足」の仏教の理想を実践した人である










 
 
 
  


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最終更新日:2016/02/01