インド北部からチベット地方にかけて 聖者は額に第三の目を持つという言い伝えがある
インド神話のシバ神にも「第三の目」があるし 観音像の中にも三眼の像がある
われわれ人間は一対の目を持ちながら愚かな存在なので
自分自身を見つめるもう一つの目がほしいという思いが三眼像を作り上げたと言えよう
第三の目といっても決して超能力の象徴ではなく 自己の内部を見る「心の目」なのである
「一隻眼(いっせきげん)」を字句どおりに解釈すれば「一眼」である
自省の宗教ともいえる禅では 人間の目は二つあっても一つと見るのである