つ じ 説 法

 
           <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」  佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」  ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とって おきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にした しむ」 小堀卓巌 著
                          
                                  など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「理を攻めて云い勝つは あしきなり」      2014年12月01日 NO・228


論争になったときは 勝ち負けを争わない方がいい
 
  
<解説>

今はさすがに少なくなったが ひと昔前までは 子供が理詰めでものを言うと

「理屈を言うな!」と真っ赤になって怒鳴る父親が多かった

今でも理屈っぽい議論を嫌う風潮が残っている地方もあるそうだ

そこでは理屈で言い負かされるのを嫌ったためか

それとも 不言実行を好んだためか


道元禅師のことばを記録した「正法眼蔵随聞記」には

人と理屈で争うことについて 次のように書かれている

「設使(たとひ)我れは道理を以て云ふに 人はひがみて僻事(ひがこと)を云ふを

どんな難事でも とにかく始めてみないことには始まらない

理を攻めて云ひ勝つはあしきなり」と

意味は「自分が正しく 相手がまちがっていると思っても 理攻めに相手を追い込んで

勝つのはよくない」である

なぜなら 相手にはしこりが残るし 言い負かしたところで空しさが残るだけだ

道元はさらに言う --といって 自分では正しいと思っているのに

「わたしがまちがっていた」といって退くのも卑屈でよくない

一番よい方法は 相手の言うことを忘れ 気にかけぬことだ

そうすれば相手もこちらの言うことを忘れ 根に持たなくなり

論争は自然に止まるだろう


ものの本によると 道元禅師に限らず高僧たちは 論争を吹っかけられても

ニコニコして巧みに相手をはずしている

言い負かしても何もならないことをよく知っているから そうするのである



          



   
 
 
 
  


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最終更新日:2014/12/01