「涅槃経(ねはんきょう)」に出てくるはなしである
美人と不美人の姉妹が一緒に旅をしていた
ある宿に泊まろうとすると そこの主人が不美人に向かって 「あなたは お断りだ」 という
それにしても ひどい差別があったものだ
ところが 主人の意に反し 肝心の美人の方も
「では わたくしも結構です」 と二人一緒に去ってしまった
わたしたちは いつも苦を捨て 楽だけを求めようとする
しかし 両者は美人・不美人のたとえのごとく つねに一体と知るべきだ
苦楽をともに引き受け 逃げず求めず生きるのが 仏教の道である