いっさいの欲望を捨てれば 迷い苦しみから抜け出せる
<解説>
テネシー・ウイリアムズの 「欲望という名の電車」 は
欲望に身を持ち崩した女の悲劇的な一生を描いてヒットした名作である
だが この女主人公に限らず 人間はみな さまざまな欲望を抱いて生きている
性に対する欲望 金に対する欲望 出世欲 名誉欲 人に誉められたいという欲望
あるいは 人の役に立ちたいという欲望 など多い
こうした感情があるからこそ 迷い 苦しまねばならないのだ
だから 一切の欲望を捨てなさい
そうすれば苦しみや束縛から解放され 自由で清々した気分になれるだろう
それが 「涅槃の境地」 なのだ と仏教は教えている
この境地を 江戸時代の禅僧・至道無難(しどうぶなん)和尚は
「生きながら死人となりてなりはてて おもいのままにするわざぞよき」 と詠んだ
すべての欲望を断つことは 生きながら死人となるに等しい
だが それでこそ 「おもいのまま」 に生きることができる と説く
禅とは まさにこの 一切の欲望 執着にとらわれない自由な生き方を
めざすものにほかならない
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