つ じ 説 法

 
           <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」  佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」  ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とって おきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にした しむ」 小堀卓巌 著
                          
                                  など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「一得一笑(いっとく いっしょう)」        2013年03月15日 NO・187


実力のない者は 自分の実力を評価できない
 
  
<解説>

ある大学で試験の答案を返却した直後に 一人の学生が 「自分の成績に異議がある」 と抗議した

その学生の言い分は こうだ

「ぼくはB君とほぼ同じような答案を書き 決して遜色はないはずだ 

それなのに 彼が合格で ぼくは不合格か」 と

わたしたちは彼の抗議を聞いているうちに ふと法眼禅師のあるエピソードを思い出した

あるとき 修行中の二人の僧が 呼ばれて禅師の部屋に行った

二人を見た禅師は 部屋にかけてある二枚の簾を黙って指さしたのである

ともに立ち上がった二人の僧は 簾を一枚ずつ巻き上げたのだが それを見ていた禅師の言葉は

意外にも 「一得一笑(いっとく いっしょう)=一人は良いが 一人は悪い」 というものであった

ある人間には まったく同じように感じられる物事でも 悟りの境地から見ると

一方は是で 一方は非 というケースは決して珍しくはない

冒頭の学生の場合も 使っている字句とその配列は友人とほぼ同じであっても

わたしたちの目からすると まったく意味内容の異なる 「似て非なる」 答案であった

つまり実力のともなわない人間が 形だけ他人を真似てみても 

見る人が見ればすぐに底が割れるということだ





 
 
 
  


ホーム 寺の紹介 掲示伝道 T仏・心・命 U安らぎ・感謝
V勇気 W躾・教育 X自然・その他 つじ説法 和尚の小話
お経の話T お経の話U 地域活動 花あるばむ 年間行事
永代供養 墓地案内 日切地蔵 リンク集 お知らせ


最終更新日:2013/03/15