つ じ 説 法

 
           <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」  佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」  ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とって おきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にした しむ」 小堀卓巌 著
                          
                                  など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「人間五十年 下天(げてん)一昼夜」      2013年03月01日 NO・186


地獄の苦しみを考えると 人生の苦しみなどちっぽけに見えてくる
 
  
<解説>

織田信長は天下を狙っていたが 東に今川氏 北に朝倉氏 西に佐々木氏という具合に

強敵に囲まれていて出るに出られない

なかんずく東海の雄 今川氏は織田氏にとってガン的存在だった

寡兵をもって この今川氏に当たるとき 信長は部下に 「狂え」 と命じ

「人間五十年 下天のうちに比ぶれば 夢まぼろしの如くなり」 と自ら舞ってみせた


人間五十年とは 人の寿命が五十年だから はかないということではなく

人間の一生五十年は 天界の一番下である下天の一昼夜にすぎないという意味だ

この世界はそれほど一瞬にすぎないのだから 

狂って突進し 今川義元の首級をあげよ というのである


ある仏教の論書によると 五十六億七千万年の寿命が保証されている別の世界があるそうだ

それを考えると わたしたちの僅々数十年の営みなど 

ごくごく短く ちっぽけなものにすぎないことになる

人間世界に比べて下天は気が遠くなるほど尺度が長いが 

その下天が逆立ちしてもかなわないのが地獄である

なにしろ下天の五百年が地獄では一昼夜にすぎないのだから・・・

それゆえ 苦しんだり悩んだりして悲愴ぶっていても 

人生の苦しみなど 地獄のそれに比べたら何ほどでもない

この考え方は 仏教式発想の転換といえるのではあるまいか




 
 
 
  


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最終更新日:2013/03/01