良い環境かならずしも 勉強をはかどらせるとは限らない
<解説>
受験生を抱える家庭では テレビも消して静かな環境づくりに気を使う
しかし当の本人はかえって気詰まりで勉強が なかなか思い通りに はかどらないものだ
釈尊の十大弟子の一人にウパーリがいる 出家前の職業は理髪業であって
そのためでもあろうか この人は非常に人なつっこい性格だったと思われる
あるとき 釈尊に 「空閑処で修行をしたい」 と申し出た
空閑処とは森の奥の静かな 人里離れたところのことである
その希望に答えて 釈尊はこう言われた
「ここに大きな池がある 象が水浴しているのを見たウサギが
自分もそこに飛び込んだが あまりに深くて恐ろしくなったので飛び出した
人にはそれぞれ性格があるから かならずしも空閑処ばかりが
その人にあう修行場とはならないのだよ」
静かだから勉強できるとは限らない むしろ少しざわついているくらいのほうが
勉強のはかどる子どももいるのだ
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