死んだらどこへ行くかを考えるのも 充実した生を生きる方便である
<解説>
わたしたちが充実した人生を送りたいと願うのは やがて死ぬべき運命だからである
人生はやりなおしがきかない
死を意識すればするほど 生をたいせつに思う気持ちも強まってこよう
しかし 抽象的に死を考えつめていたのでは ノイローゼになりかねない
ポリネシアの原住民は死ぬ前に 思い思いの星を指差して
「自分が死んだら あの星に住みたい」 と言うそうだ
オリオンの好きな人はオリオンを スバルの好きな人はスバルを である
すばらしい死に方だとわたしは感心する
仏教徒は 「西方弥陀の極楽浄土」 を自分の死後の行き場所と決め かたく信じているべきである
浄土とは仏さまの国 仏国土のことである
そんな素晴らしい国へ生まれ変われるよう 現世をしっかりと生きるのが仏教徒の生き方である
わたしたちは死んだらどこへ行くのか 考え悩むのではなくて
自分の意思で具体的に決めておくのも 生を充実させるひとつの方便になると思う
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