古い教えの中にこそ 新しい知恵がある
<解説>
科学技術は進歩しても 人の生き方 考え方には昔からそれほどの進歩があるとは思えない
現代の科学者が あれこれ知恵をしぼって たどりついた結論が 結局は昔からの言い伝えを
裏付けるだけであったということも多い 現代人は科学を妄信しているようだが それは考えものだ
むしろ わたしたちは 古人の知恵に学ぶべきことが たくさんあるのではないか
ただし 古い教えを古い形のままで押し付けても現代人には受け入れにくい
今に通じる知恵として伝えることが大切だ
道元のあとを継ぐ永平寺五世となった義雲禅師は
「古仏の道を以って 今人の心となし 今人の心を以って 古仏の道に通ず」 の言葉を遺している
古い教えは重んじなければならない しかし 掛け軸にして床の間に飾っておくのでは何もならない
教条主義的な教えは生きた知恵にはなりえない
歴史的な時間の隔てを超えて 今 生きているわたしたちが何をどう汲みとるのか それが問題だ
仏道の教えばかりでなく 老人の言うことはないがしろにせず 言葉の中に現代に通じる知恵を
見出せることが大切だ
|