心に従うのではなく 従えるべきは自分の心である
<解説>
目の前に ごちそうの見本が並んだショーケースがある ところが 懐は無一文
死にそうな空腹のため 正常な判断力は失われている 足が店に近づく
手が戸にかかる どうなってもよいから とにかく食べたいと心は願っている
このとき 心に従ってしまえば 無銭飲食という犯罪を犯すことになる
わたしたちは欲のおもむくままに生きているが それは心そのものが欲深いからである
だから心に従って生きてはいけない
禅僧鈴木正三は そのゆえにこそ 心に従うのではなく 心を従える大事を説いたのだ
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