あるがままの物を あるがままに見よ
<解説>
心理学の実験で 被験者に対して
黒く塗り潰したハート型の紙を瞬間的に見せて 「何色か」 と聞くと
大抵は 「赤色」 と答えるらしい
「ハートは赤い」 との先入観が邪魔してものをあるがままに見ることを妨げている
宋の時代の詩人 ・ 蘇東坡 (ソトウバ) の作に
「柳は緑 花は紅なり」 という一句がある
柳は緑に見え 花は紅に見える というのだから
しごく当たり前のことをいっているにすぎない
しかし 人間は当たり前のことを見失いやすい
当たり前のことを あるがままに捉えることを 禅は尊ぶのです
当たり前に 「緑の柳がそのまま緑に見えれば」 それが禅であるというのです
エッ! 判ったような判らんような?・・・
そうなんですよ これが禅問答の入り口でして
この先は 頭 (左脳) だけでは 迷路に入ります
色眼鏡やフィルターが入ると 万事があるがままに見えなくなる
相手の変化でなく 自分の心のありようです
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