すべては刻々と変化するから 一瞬たりとも おろそかに出来ない
<解説>
昨日元気で話した友人が交通事故で死んだなどと聞くと 誰もが 「無常だなあ」 と感じる
死はいつやってくるかわからない 生命は短く 人生ははかない
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり・・・」
あの平家物語の一節を思い浮かべるのも こんなときである
しかし 「諸行無常」 という仏教語は 本来まったく別の意味をもつ
「無常」 はサンスクリット語で 「永遠でないもの」 を指し
「諸行無常」 は 「われわれを取り巻く事物は すべて刻々と変化する」 の意味
人間を含め 生きとし生けるものはもちろん 物質ですら絶え間なく変化する
生じたものは必ず滅ぶ
「万物は時の流れとともに移って行く・・・」 という事実を淡々と述べているに過ぎない
だから仏教者は 「無常」 から出発して 次のように説く
人間の生命には限りがある 限りがあるからこそ 生命は大切にしなければならない
また 人間を含めて全ては刻々と変化するから
一瞬たりとも おろそかに出来ない・・・と
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