つ じ 説 法

 
          <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」 佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」 ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とっておきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にしたしむ」 小堀卓巌 著
                         
                                 など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「杯蛇の厄(はいだのやく)」           2006年05月01日 NO・022
 
自ら作り上げた概念に縛られるのは愚かしい
 
 
 
<解説>
 
人は皆 自分勝手に作り上げた概念にこだわって不自由する
 
 
中国でその昔 ある役人が上司に招かれ 酒をご馳走になった
 
そのとき役人がふと見ると 受けた酒杯の中に蛇がいる
 
しかし 上司への手前なんともいえず 眼をつぶって飲み干した
 
役人はその日のうちに病になってしまった
 
 
実は壁にかけてあった弓が酒杯に映ったにすぎないのだが
 
この事に気づいた上司は役人が哀れと思い 見舞って曰く 
 
「お前が飲んだのは蛇ではなく 杯に映った弓だ」 と教えた 
 
すると病気はケロリと治ったという
 
 
「杯蛇の厄」(はいだのやく) という中国の故事だが 思い込みほど怖いものはなく
 
自己暗示にかかって 己を見失う事の例えである
 
 
多くのトラブルやミスマッチは このような思い過ごしが働き
 
大半の原因を生み出していることが多い
 
それを気づかせるのは周りの人に他ならない
 
どのように気づかせれば 本人が受け入れることが出来るか
 
それには 「公平さと厳しさ」 が必要であるという
 
 
「蛇」 は禅でいう“差別(しゃべつ)”を意味し 差別のない心の状態のことを“空” という
 
“空“ は何も無い 「無策」 を意味するものではなく 
 
こだわらない中で 「公平 且つ厳しさ」 を意味している
 
 
 


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最終更新日:2010/11/15