・・・ 般若心経の一節
自分に関係ないと思われる事物にこそ 身近な問題が隠されている
<解説>
人は 自分のことは自分がいちばんよく知っていると信じている
しかし 細かい点ばかりに眼がいって 客観的な自分は見ていない
木を見て森を見ずのたとえである
宮本武蔵は著書 「五輪書」 のなかで 「観見(かんけん) 二つの事
観の目つよく 見の目よはく 遠き所を近く見 近き所を遠く見る事 兵法の専ら也」 と
書いている
「観」 の左の文字は 「ふくろう」 の意味があり 暗闇でも見通すの意味で
「物事の本質を深く見極めること」 であり
「見」 は 「表面のあれこれの動きを見ること」 をいう
つまり 物事の本質を見る目を強く 表面的な目を弱くし
自分に縁遠いものを見る時は 近くにあるごとく注意深く 「観察」 する
これが兵法の基本である というわけである
ところが 我々は全く逆のことをやっていることに気づいて欲しい
物事の表面的な動きばかりに目がいき 本質を見ようとしない
自分に関係ないと思われるところにこそ 身近な問題が隠れている
それなのに ただ 「傍観」 するばかりである
そして 目先のことに目を奪われ 右往左往している
我々は 自由自在に見る能力を備えた 「観自在菩薩」 の教えに
今こそ耳を傾けなければならない
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