お 経 の 話U

 
<参考文献>
 
                        * 「般若心経現代語訳」 東福寺派本願寺 ・ 稲栄和尚 (S10年)
 
                        * 「一切は空 ・ 般若心経」 天竜寺管長 ・ 平田精耕著 : 集英社
 
                        * 「般若心経」 妙心寺派龍源寺住職 ・ 松原哲明著 : 三修社
 
                        * 「般若心経」 ビギナーの為 ・ 遠藤誠著 : 現代書館
 
                        * 「こだわりを捨てる ・ 般若心経」 ひろさちや著 : 中央公論社
 
 
 
 
 

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 [42]   総 括 編 ・ む す び
 
般若心経の最後の句は 「真言」 で締めくくられた
 
釈迦の言葉は 「人間の言葉」 であり 「世間の言葉」 である
 
だからどうしても 「世間の言葉」 でしかその教えを語れない
 
その意味で釈迦の言葉は 「真言」(真実の言葉) ではない
 
では 「真言」 とは何か? それはつまり 「宇宙の仏の言葉」 である
 
ある意味で 「般若心経」 は 「般若波羅蜜の真言」 を述べるために
 
作られたといえる
 
つまり 「般若心経」 の骨組みを総括的に見ると次のようになる
 
 
(1) 観自在菩薩が般若波羅蜜を実践し 全てが 「空」 だと悟り
 
   「苦厄」 を克服したとある
 
   わたしたちも観自在菩薩にならって 「空」 を照見して
 
   「苦厄」 を克服すべきである
 
 
(2) 次に舎利子に向かって 一切が 「空」 だと教えている
 
   「空」 だから生滅もない
 
   われわれは老死があるかのように思い その老死を克服しようと躍起になる
 
   だから 小乗仏教が真剣に老死を克服しようとするやり方をわらっている
 
 
(3) では大乗仏教のやり方は? 「菩提薩垂・・・」 という
 
   大乗仏教の修行者である菩薩は 仏の智慧を完成しているから
 
   その心にはこだわりがないので恐怖におびえることもなく
 
   事物をさかさまに捉えることなく妄想に悩まされることなく
 
   心は徹底して平安である
 
 
(4) 次には 「三世諸佛・・・」 という
 
   「過去・現在・未来の三世の諸佛は ほとけの智慧を完成することにより
 
   この上ない正しい完全な悟りを開かれた」
 
   この部分では 大乗仏教の菩薩も仏もみんな
 
   般若波羅蜜によって心の自由が得られ そして究極・最高・絶対の悟りが
 
   得られたことを明らかにしている
 
 
(5) そして それにつづけて 「故知 般若波羅蜜多・・・」 という
 
   「故に知るべし」 というのは いわば結論的にいっている
 
   玄奘三蔵法師の漢訳文は 「いささかあいまい」 になっていて
 
   「般若波羅蜜(般若波羅蜜多)がすばらしい真言(大神呪)である」 となっている
 
   しかしサンスクリット語の原文では
 
   「般若波羅蜜の真言がすばらしい」 と読むべきである
 
   つまり 「般若波羅蜜の真言」 は大神呪(すばらしい霊力)
 
   大明呪(すばらしい効力) 無上呪(この上ない真言)
 
   無等等呪(くらべものにならない真言) であり
 
   能除一切苦(一切の苦しみを取り除いてくれる) といっている
 
 
過去を悔やんでみたところで 過去を変えることはできない ならば過去を捨てよ
 
未来は所詮なるようにしかならない それなら ほとけさまにまかせておけばよい
 
わたしたちは いまなすべきことをしっかりとすればよい!
 
苦しいときは しっかりと苦しめばいい!悲しいときは しっかりと悲しめばいい!
 
うれしいときは しっかりと喜ぶといい!それが釈迦の教えである
 
「わかった わかった ほとけのこころ すっかりわかった ほとけのこころ
 
ほとけさまありがとう」 これが 「般若心経」 の呪文である
 
 
                                   2008年6月15日
 
 
 
 
 



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