【経文】
般若心経
【読み方】
ハンニャシンギョウ
【現代語訳】
般若心経
般若心経は これらの真言を説明するための 真髄のお経である
<解説> 今回のキーワード 「悟りよ 幸あれ」彼岸に渡った者への祝福の言葉である
そこで38句 「故に 般若波羅蜜多の呪を説く」 即ち 最高の叡智の象徴である
真言を説いて聞かせましょうと お釈迦さまは おっしゃった
「即ち呪を説いて曰く」 だんだんとクライマックスがきて たたみかけてきました
そして 「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」
この真言を毎朝毎朝 唱えてみなさい
あなたはそれによって 如来と同じになってしまうのです
すなわち 生きながらにして仏に成れるという
大それたことを言っているのである
ところで 「ぎゃーてい」 から 「そわか」 までの真言18文字は どんな意味があるのか
現代人は 「なんなの」 「どうして」 とばかりに すぐに知りたがる
ところが この 「如来のことば」 は古来から 「不翻(ふぼん)」 といわれていた
だいたい如来のことばを人間のことばに翻訳するなどは 不可能である
無理やりするとバチがあたるという思想によるものであり
その思想は般若心経の漢訳当時からあった
したがって 三蔵法師玄奘ですら 漢字に訳してはならないところは
ただの発音の似た漢字を当てはめたままで済ませたのである
バチあたりだが あえて翻訳すると
「羯諦gateガテー」 往ける者よ 「波羅羯諦tatha-gateパーラガテー」 如去(去った者よ)
「波羅僧羯諦tatha-sam-gateパーラサンガテー」 如来(往ける者よ)
「菩提bodhiボーディ」 悟った者よ
「薩婆訶svahaスバーハ」 成就を願う 「呪文 」で 「弥栄!いやさか」「幸あれ!」 である
「往ける者よ 往ける者よ かなたの岸へ往ける者よ 悟りよ 幸あれ!」 と訳す
生きたままで彼岸(悟り)に到達した者への祝福の言葉である
自分が仏であると自覚する
つまり仏教は 「ほとけの心」 を知るとの自覚の宗教である
契約宗教の如く命令で従がい従わせる束縛は一切無いのである
2008年3月20日 春彼岸
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