お 経 の 話U

 
<参考文献>
 
                        * 「般若心経現代語訳」 東福寺派本願寺 ・ 稲栄和尚 (S10年)
 
                        * 「一切は空 ・ 般若心経」 天竜寺管長 ・ 平田精耕著 : 集英社
 
                        * 「般若心経」 妙心寺派龍源寺住職 ・ 松原哲明著 : 三修社
 
                        * 「般若心経」 ビギナーの為 ・ 遠藤誠著 : 現代書館
 
                        * 「こだわりを捨てる ・ 般若心経」 ひろさちや著 : 中央公論社
 
 
 
 
 

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 [24]   以  無 所 得  故
 
【経文】
 
以 無所得 故
 
【読み方】
 
イ ムショトク コ
 
【現代語訳】
 
得ることのなきを以っての故に
 
 とらわれなき心は 迷いの意識ではとらえようがないのですから
 
 
<解説> 今回のキーワード 「八正道」
 
前回は 「苦」 からの開放の道と 「空」 について でした
 
これまでに(小乗仏教徒が作り出した)難解な仏教術語 「五蘊」 「十二支縁起」
 
「四諦」 とかについて説明したが
 
確かに 「苦集滅道」 の四諦を釈迦は しきりに弟子達に教えたのは事実である
 
しからば執着(苦)を滅すためにはどうしたらよいか
 
それを 「滅」 するためには正しい 「道」 がある 
 
これを 「八正道(八聖道)」 という
 
この道という言葉は 滅の世界 ・ 涅槃寂滅の世界に至る道である
 
 @ 正見(しょうけん) :正しいものの見方
 
 A 正思(しょうし) :正しい思惟
 
 B 正語(しょうご) :正しい言葉
 
 C 正業(しょうごう) :正しい行為
 
 D 正命(しょうみょう) :正しい生活
 
 E 正精進(しょうしょうじん) :正しい努力
 
 F 正念(しょうねん) :正しい心の落ち着き
 
 G 正定(しょうじょう):正しい精神統一
 
でも小乗仏教徒が作り出した難解な仏教術語「五蘊」「十二支縁起」「四諦」 とか
 
すべてこれらの教えを般若心経では 「絶対的真実でない」 と 否定してしまう
 
ですから そういうことを知る知恵というものは 真実の智慧とは区別されて
 
無智 ・ 無得 ・ 無所得の言葉を使って本当の涅槃の世界を表現しようとした
 
それが この23&24句である 「とらわれなき心の不思議」 についての解説になる
 
現世では 教育が 人間を企業に高く売り込む (箔を付ける) 為の仕事になっている
 
自分に点数がつくと どんな点数であれ人は傷つく
 
義務教育の子供が点数で篩いにかけられるのは正に暴挙である
 
その暴挙を日本の学校は平気でやっている
 
その結果 最近の子供がおかしくなっている 
 
しかも国民の大半に自覚症状がない
 
今の世の中の物差しがおかしいとき
 
その物差しのおかしさを指摘する宗教が必要である
 
今こそ 我々日本人は 釈迦の教え 「とらわれなき心」 に耳を傾けるべきである
 
そして 「般若心経」 からその教えを学びたいものである
 
 
                          
                                  2007年4月22日
 
 
 
 



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