【経文】
以 無所得 故
【読み方】
イ ムショトク コ
【現代語訳】
得ることのなきを以っての故に
とらわれなき心は 迷いの意識ではとらえようがないのですから
<解説> 今回のキーワード 「八正道」
前回は 「苦」 からの開放の道と 「空」 について でした
これまでに(小乗仏教徒が作り出した)難解な仏教術語 「五蘊」 「十二支縁起」
「四諦」 とかについて説明したが
確かに 「苦集滅道」 の四諦を釈迦は しきりに弟子達に教えたのは事実である
しからば執着(苦)を滅すためにはどうしたらよいか
それを 「滅」 するためには正しい 「道」 がある
これを 「八正道(八聖道)」 という
この道という言葉は 滅の世界 ・ 涅槃寂滅の世界に至る道である
@ 正見(しょうけん) :正しいものの見方
A 正思(しょうし) :正しい思惟
B 正語(しょうご) :正しい言葉
C 正業(しょうごう) :正しい行為
D 正命(しょうみょう) :正しい生活
E 正精進(しょうしょうじん) :正しい努力
F 正念(しょうねん) :正しい心の落ち着き
G 正定(しょうじょう):正しい精神統一
でも小乗仏教徒が作り出した難解な仏教術語「五蘊」「十二支縁起」「四諦」 とか
すべてこれらの教えを般若心経では 「絶対的真実でない」 と 否定してしまう
ですから そういうことを知る知恵というものは 真実の智慧とは区別されて
無智 ・ 無得 ・ 無所得の言葉を使って本当の涅槃の世界を表現しようとした
それが この23&24句である 「とらわれなき心の不思議」 についての解説になる
現世では 教育が 人間を企業に高く売り込む (箔を付ける) 為の仕事になっている
自分に点数がつくと どんな点数であれ人は傷つく
義務教育の子供が点数で篩いにかけられるのは正に暴挙である
その暴挙を日本の学校は平気でやっている
その結果 最近の子供がおかしくなっている
しかも国民の大半に自覚症状がない
今の世の中の物差しがおかしいとき
その物差しのおかしさを指摘する宗教が必要である
今こそ 我々日本人は 釈迦の教え 「とらわれなき心」 に耳を傾けるべきである
そして 「般若心経」 からその教えを学びたいものである
2007年4月22日
|