つ じ 説 法

 
          <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」 佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」 ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とっておきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にしたしむ」 小堀卓巌 著
                         
                                 など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「一無位の真人を看よ」              2009年11月01日 NO・106
いちむいのしんじんをみよ
 
 
肩書や身分にとらわれていると 自分を正しく見られない
 
 
<解説>
 
「臨済録」(りんざいろく) の中には
 
「赤肉団上(しゃくにくだんじょう) に一無位の真人あり」 という一節がある
 
「赤肉団」 とは生身の肉体のこと 
 
「一無位の真人」 とは世間一般の肩書を持たない真実の人間を意味する
 
つまり 「この生身の肉体の上に なんら世間的な位格を持たない真実の人間がいる」
 
というのが その意味である
 
 
臨済禅師はこう言ったあとで 「一無位の真人を看よ」 と弟子達に迫る
 
そのとき 一人の僧が進み出て 「一無位の真人とは何ぞや」 と問うた
 
すると臨済はその僧の胸倉を掴んで 「わかっているではないか 何か言え 言え」
 
と 詰め寄った
 
しかし 僧は一言も出ない 
 
臨済は 「一無位の真人とは乾尿蕨(かんしけつ)=(糞かきべら)さ」 と言って
 
引き上げてしまう
 
 
臨済のいう 「一無位の真人」 とは “自己”そのものと思っていいだろう
 
ところがわたしたちは 社長だ部長だ 親だ子だ 夫だ妻だといった “肩書” にとらわれ
 
自己を正しく見ることができない
 
臨済は おまえたちにはそれがどうして見えないのだ と言っているのである
 
 
だがわたしたちにはそれが見えない むしろ見ようとしないのである
 
臨済はその愚かを一刀両断にした 
 
 
 


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最終更新日:2010/11/15