他人に気安くものを教えることの是非について
香厳(こうげん)和尚の修業時代の逸話を紹介しよう
香厳が師と仰いだのは 潙山(いさん)であった
ところが この潙山師は いつまでたっても何も教えようとしない
しびれを切らした香厳は「どうか教えを」と懇願した
すると潙山は
「儂(おれ)の考えを教えたところで いったい何の足しになるのだ」と一蹴し
「画餅は飢えに充つべからず(絵に描いた餅が腹の足しになるか)」と言った
潙山のことばに打たれた香厳は のちに自分で悟りを開いた
わたしは潙山に 子の成長を願う親のあるべき姿を見る