つ じ 説 法

 
          <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」 佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」 ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とっておきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にしたしむ」 小堀卓巌 著
                         
                                 など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「心が動く」                     2010年05月01日 NO・118
 
 
同じ現象が異なって見えるのは 見る側の心が動いているからだ
 
 
<解説>
 
人間の価値判断の基準など じつに曖昧なものである
 
たとえば某社の受付に ツンと澄ました美人がいる
 
男たちは 「高慢でいやな女だ」 と思っているが 
 
その中のひとりがバレンタインデーに その美人からチョコレートを贈られたとしよう
 
とたんに彼の彼女に対する評価は一変するはずである
 
「ツンとしているのは 美人だからそう見えるだけなんだ」 とたちまち思い直すことだろう
 
しかし彼女自身は以前と少しも変わっていない 
 
彼の心が 「二人の彼女」 を勝手につくり上げてしまっただけなのだ
 
 
中国 ・ 広州の法性寺に 印宗法師という禅の学僧がいて 「涅槃経」 を講じていた
 
この寺では 印宗法師が講義する日に 幡を立てるのがならわしだった
 
ある日 その幡が風にひらめいているのを見て 二人の僧が議論を始めた
 
一人は 「幡が動く」 と言い もう一人は 「幡ではなく 風が動いているのだ」 と主張した
 
二人は口角泡を飛ばして自説を譲らなかった
 
するとそこへ慧能禅師がやってきて 言下に言った
 
「幡が動いているのでも 風が動いているのでもない 
 
動いているのはお前さんたちの心だよ」
 
これを聞いて二人の僧は議論をやめ たちどころに悟ったという
 
 
 


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最終更新日:2010/11/15