(おうさきっさ おうはんきっぱん)
お茶を飲むときは 飲むことだけに徹せよ!
<解説>
ヨーロッパのレストランには まず灰皿が置いてない
日本人なら食事を終えたあとで一服つけたいとの習慣があるが
ヨーロッパでこれをやるとたちまち注意される
レストランはあくまで食事をするところで 喫茶室ではないという考えが浸透しているためだ
食事をしながらタバコを吸う人も珍しくない日本とは えらいちがいだ
禅では 「逢茶喫茶 逢飯喫飯」(おうさきっさ おうはんきっぱん)といって
茶を飲むときは 茶を飲むことに徹せよ と説く
何を当たり前のことを と思われるかもしれないが わたしたちは喫茶店でコーヒーを飲むときも
いろいろとほかの事を考えているものである
仕事の段取りに思いをめぐらしたり ウイトレス嬢のスタイルに視線を走らせたり
ろくにコーヒーの味もわからないまま 惰性でカップを口に運ぶ
禅はこうした中途半端を排除する 茶を飲むときは 一所懸命茶を飲め
飯を食うときは一所懸命飯を食え という そもそも一所懸命 茶を飲めない人間に何ができるか
わたしたちは レストランで食事に徹するヨーロッパ人を見習わなくてはならない
ひたすらに茶を飲む これも禅である
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