和尚の小話
 
 
 


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 [15]   松 山 千 春 を 語 る  <千春語録(5)> 「自壊」                   
 
昨年の松山千春デビュー30周年記念コンサートツアー2006 「再生」 では
 
「オロオロ」 という曲を披露し 今年の千春コンサートツアー2007では
 
「自壊」 でした  なんと自らが壊れるとは?
 
別に千春さんが壊れたとか 壊れそうだということではないだろうが
 
いまの世の中いろいろと壊れている そんな世情を踏まえてのMCが多かった
 
 
この小話も前回(2006年12月)は 「いじめ」 と 「教育行政」 のあり方を問題提起した
 
安倍さん流 「美しい日本」 の理念はよかったが どうも具体的構想が未成熟なまま
 
制度つくりが性急過ぎて 問題の本質がなんであるか はっきりさせないから
 
国民の目には空回りの様相が映し出されている
 
多くの国民が期待した安倍政権であるが 支持率が急落して
 
誠に不安定な状況にある
 
参議院選挙に突入した今となっては あまり過度な個別批判は控えておきたい
 
ただ国民の正直な審判を受けて欲しい
 
国民のために先を見据えた政治を期待する
 
「キョロキョロ」 の風見鶏 自信なき 「オロオロ」 や金にまみれて 「自壊(自滅)」 をする
 
そんな弱な政治家は昔の政治屋にも劣り
 
「美しい日本」 に相応しくないことは確かである
 
 
党派がどうこうではない! 全ての政治家がしっかりと政治をやらないとだめである
 
国民が 「オロオロ」 して やがて 「自壊」 する そんな国になってしまう気がする
 
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千春さんに話を戻して 歌詞を紹介しましょう
 
 「オロオロ」 : 松山千春デビュー30周年記念コンサートツアー2006
 
  お前を抱きしめる 強く抱きしめる
 
  悲しみも苦しみも 全て抱きしめる
 
  何もできないから じっと抱きしめる
 
  悲しみや苦しみが 通り過ぎるまで
 
  オロオロ泣きなさい オロオロ泣きましょう
 
  不運なことに人生は 一度きりのものだから・・・
 
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 「自壊」 : 松山千春コンサートツアー2007
 
  やがて少しずつ 僕は壊れてく
 
  何を覚えてる 何を忘れてる
 
  もしも君の事 忘れていても
 
  そっと抱きしめて 壊れゆく僕を
 
  きっと悲しみも きっと喜びも
 
  わけもわからなく なってゆくのだろう
 
  けれど君の事 愛した事は
 
  そうさ胸の奥 奥にかくれてる・・・
 
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松山千春さんは 20周年記念の際に 「らいぶ」 という本を発刊したが
 
父親のことを熱く語っている 「親父のオニギリ」「父さん」「親父が死んだ」・・・
 
その中で 「痴呆(認知症)」 で壊れていく父
 
「俺だっていつかは声が出なくなり壊れていく」
 
でも 「親父のことは俺の心の中にちゃんと残っている」
 
そして 「俺の歌がみんなの心の中に深く刻み込まれればなあと思う」
 
「何でも良いから生きた証ってのを残したじゃないか」
 
「・・・だから一生懸命に歌いたい」
 
 
千春さんは20周年で 「人間を豊にするのは物質ではなく・・・精神的なものが
 
豊にするのであって・・・自分は一貫してそう言って来ている」 と
 
また30年後の今でも一貫して 「再生」 「自壊」 という言葉で代表されるように
 
物質や肉体は はかなく壊れて消えてゆくが 
 
精神は確実にどこかに何かの形で残される
 
「弱さ」 を受け入れて前に進もうとしている そんな歌詞がその思いを顕している
 
 
<住職から>
 
周りに対して 「お蔭様で自分もここまで これました」 と
 
感謝ができるのが素晴らしい
 
ある末期がんの方が 「最小限の治療にして・・・ぜひ最後まで話しが出来る
 
ようにして・・・お世話になった方に 『どうもお世話になりました。ありがとう!』
 
という言葉を残して死にたいのです・・・」 と
 
この方の臨終のことをお聞きして つくづく考えさせられたのは
 
「人間とは言葉を使う生き物だ」 ということだった
 
人生の最期に何をしたいかといえば おいしいものを食べたいとか
 
冷たいものを飲んで喉を潤したいとかいう欲求もあるが
 
何よりも愛する子供たちやお世話になった方々に 言葉がしゃべれる状態で
 
最期までいたい 普通に言葉が交わせて意志が通じ合う状態でいたい
 
という欲求が強いのではないだろうか
 
つまり 「言葉こそは命で 生の証」 であると思う
 
宗教家は 「死ぬための生き方」 ということを説いているのが常であり そう心得ている
 
世の医師もそうあってほしい
 
「病気には闘う病気」 と 「患者に病気を同化させる」 がある
 
97歳で今も聖路加病院の現役医師 「日野原重明先生」 は その代表的名医である
 
壊れてしまわないように 日々つとめたいものである
 
そして 「言葉」 を通して人の心にふれることの喜びを分かちあいたい
 
 
                               
                                  2007年7月16日
 
 

松山千春 ・ 自壊

 
 
 



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