和尚の小話
 
 
 


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 [1]   人 生 は 三 分 節
 
来年の話をすると鬼が笑うと申しますが、住職も来年は還暦でございます
 
この年になりますと過ぎ去った年を振り返り反省をすることが多くなります
 
反省ばかりではいかんのでありまして、これからも前進が大事なのですが、
 
かねがね人生には三つの節があり
 
「人生は三分節で変化する」 と考えてきました
 
 
 
その第一分節は、 生を受け ・ 教えられ ・ 支えられ ・ 成人するまで、 教育
 
という20年間です
 
人間はこの時期のありがたさに感謝する気持ちを忘れがちであります
 
一人で一人前になったような、思い違いをしている人はいませんでしょうか?
 
昔と今の子育てには大差ないはずが、社会環境の大きな違いが影響してか
 
社会現象には驚愕させられる昨今です
 
どこの親も立派な成長を期待して苦労を重ねております
 
何が間違いで、何が問題なのでしょうか?
 
 
 
次の第二分節は、 就職し ・ 自分の能力を最大限生かす場を確保 ・ その
 
結果として糧を得て ・ 家庭を支え ・ それぞれの子弟が一人立ちするまで
 
養育に邁進する
 
これが約30年間余です   この時期はいろいろな意味で苦しいのですが、
 
振り返ってみると最も充実しておりました
 
 
 
最後の第三分節は、  50代ともなれば家庭は夫婦中心となり、 職場では
 
最終の仕上げ段階で 次世代の育成を根幹においた 「恩返し」 の時期に
 
入ります
 
これは第一分節 「支えられた時期」 ・ 第二分節 「支えた時期」を含め、
 
今日の自分が存在できることに対して  「広く社会への恩返し」 の時期と
 
なります
 
 
 
戦後60年が経ちまして、 経済大国日本は物と金の豊かさは一流ですが、
 
戦後がむしゃらに突っ走ってきたものの、大事な落し物をしてきました
 
それは 「こころ」 というかけがえのない忘れ物をしています
 
物の豊かさは異常拡大したが 心の成長が停滞し
 
子供社会は大きくバランスをくずしている
 
今は大人が一番怠けていませんか?
 
大人社会が反省する必要があるでしょう
 
子供や若者は、親や大人の背中を見て、見よう見まねで成長していきます
 
今からでも遅くありません
 
落とした忘れ物 「こころ」を一つずつ拾い上げましょう
 
 
                                     2005年4月
 
 
 
 
 
 
 



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