お 経 の 話T
 
白隠禅師・坐禅和讃第1句〜44句
 
(東福寺管長福島慶道老大師の法話を参考)
 
 
 


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 [45]   坐 禅 和 讃 総 括 編
 
 
<坐禅和讃の総括>
 
 
坐禅和讃の解説を終えるにあたり 白隠禅師の言葉を借りながら
 
各論を補足しつつ お釈迦さまの教えである 「本来仏教」 を総括的に
 
締めくくることにした
 
人世一生の99.99・・・%は 「生」 である
 
それに比べ 「死」 は稲妻の如くであり 「ほんの一瞬」 でしかない
 
だから人生は 「死」 を思い煩うよりも 「生」 の全うが本来的で正しいといえる
 
だから お釈迦さまは 「いかに生きるべきか」 を説いた 「生佛」 を説き
 
その延長線上で 「死」 を迎える前提で死後の世界を説き 
 
行事として仏事葬送が行なわれるというのが正しい解釈である
 
だから 「死」 が先でなく 「生」 が大前提である
 
「死=葬式=仏になる=仏教」 との誤解が生じたとすれば
 
その責任は和尚にある
 
その意味で白隠禅師が作られた 「坐禅和讃」 はすばらしい仏教解説書であり
 
お釈迦さまの 「生佛」 を的確に解説している点で 一般の人に学んでもらうには
 
最良の教科書である
 
 
ここで 「草木に意志はあるか」 と問う
 
「無いといえば無い」 「有るといえば有る」
 
その時 お釈迦さまは 「草木國土悉皆成佛」 と説いた
 
「草も木も地球上の万物は悉く皆 佛である」 
 
この世で人間が最高だと思うのは間違いで 
 
「お互いが万物を支え 万物に支えられる」 だから全てが尊いのであり
 
そこに感謝の心が生れるのは 至極当然であらねばならない
 
それを白隠禅師は坐禅和讃の1句〜44句にて解説した  その要約は5節になる
 
 
 第 1句〜14句 : 「死佛と生佛」 二つの仏があることを認識する
 
 第15句〜20句 : 悪いことを慎み 「善行」 小さくても良いことを積み重ねる
 
 第21句〜28句 : いつも 「反省」 をして素直な心を作る
 
             その素直な佛心が一人一人の善行になる
 
 第29句〜34句 : 佛心をもって生き抜く力を養う  今の自分に忠実になり
 
             汚されず一心に生きる姿が必要である
 
 第35句〜44句 : 無心になって心の窓を開き
 
             互いの生佛を見出す努力が大切で
 
             お互いの人格を尊重できることに感謝する
 
 
重要ポイントは1句 「衆生本来仏なり」 と認識し30句 「直に自性を證すれば」 を
 
自覚して44句 「この身即ち佛なり」 に帰結すると云うのである
 
まず自分が完成された人格を所有して 感激と幸福を自覚し 併せて人々をして
 
同じ感激と幸福に入らしめてこそ 真実で最高の教えであるといえる
 
人間の中に 「神仏」 を発見して互いが尊敬し この地上に天国楽土を建設する
 
のが 科学的で近代的な宗教の姿であり 禪とはそんな宗教である
 
また真実の宗教は 「人を軽んぜず」「常に人を愛する」 事を教えているのである
 
 
今まさに春の彼岸になりました
 
三途の川を渡った死佛 ・ 彼岸 (ヒガン) でなく
 
是非とも この世で生佛 ・ 彼岸に到ってほしい
 
 
                             2006年3月18日 春彼岸
 
 
 



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