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【経文】
能除 一切苦 真実不虚
【読み方】
ノウジョ イッサイク シンジツフコ
【現代語訳】
能く一切の苦を除き 真実にして虚ならざる
能く一切の苦しみを取り除いてくれる 偽りなき真実である
<解説> 今回のキーワード 「如来のことば」
ここに出てくる 「呪」 とは何か 日本語読みでは 「のろい・まじない」 というが
このままだと般若心経は 「呪いまじないの経」 ということになってしまう
この辺から般若心経が判りにくくなる
実はここから後は 「密教の世界」 なのである
「蜜とは」 何か?
我々人間の中には 「仏に成りうる性質=仏性が密かに秘められている」
という意味である
大部分の人間の中には 仏性が秘密の存在として隠されているとの意味で
「蜜」 であり
プロの坊主が 俗人に対して何かを秘密にしておくという意味ではない
「呪」 とは 「陀羅尼」 ともいわれ 梵語の 「ダラーニ」 (持っていく) である
即ち こちらの世界(此岸) から 仏の世界(彼岸) へと持っていくことである
古代のインドの宗教では陀羅尼をよく唱えた
意味がわからなくても良いから唱えた
そして言葉を唱えることによって 音声の力を借りて悟りの世界に入ろうとする
そういう呪文を陀羅尼と呼んだ
この陀羅尼が基礎にあって密教が仏教の中に出来た
密教というが なにも隠すということではない
わからない者には真理はわからないし わからないところを蜜と呼び
わかった者には それこそ白日の下に露堂々である
松吹く風も仏の声と聞くことが出来る
谷のせせらぎも仏の説法と聞くことが出来る
わからない者には 隠すまでもなく わからないのである
そこで 「般若心経」 をつづめて一番最後のところで
訳すことの出来ない 「陀羅尼」 がおかれている
難しい説明は省略して結論だけいうと 「呪」 とは「如来のことば」という意味である
2008年1月30日
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