【経文】
得阿耨多羅三貌三菩提
【読み方】
トクアノクタラサンミャクサンボダイ
【現代語訳】
阿耨多羅三貌三菩提を得る
この上ない正しい完全な悟りを開かれました
(解説) : サンスクリット語 「アヌツターラ ・ サムヤック ・ サンボーディ」 の当て字で
「この上なく、正しく平等の、正しい悟り」 という意味である
<解説> 今回のキーワード 「無上の叡智」
「実に三世の諸仏たちは 般若波羅蜜多 ― 彼岸に到る六つの善い行い ― を
修せられるということがあったからこそ 無上の悟りを得ることができました」
般若心経の主文は この33句で終わりである
ここで内容を簡単にまとめておきたい
一口で言えば 「空」 の真理を説くお経である
「空」 の解釈は人によって違ってくるが
「空」 とは 「物事や現象 つまり一切の事象の存在の原理」 であると説明してきた
「とらわれてはいけない」 と言ってきたが
実は 「とらわれなくてもすむ・とらわれる必要のない」 道理を説いているのである
だから 「存在」 の中に道理がある
存在の第一が 「無常」 : つまり世の中は移り変わってゆく 人は必ず死ぬ
自分だけが生き残ることはない 即ち 「有りえない」
ことゆえに 「有ることが容易でないから」=「有り難い」
ということである
「無常」 がわかるとは 「有り難さ」 に目覚めることである
存在の第二は 「無我」 : 単独ということはありえない 自分一人では何もできない
聞いてくれる人がいるから話ができる
自分の力ではない
つまり相互依存があるから 「おかげさま」 である
「無我」がわかるとは 「おかげさま」 に気が付くことである
このお経がいう 「空即是色」 を生活用語でいえば 「もったいない」 ということでもある
2007年10月24日
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