お 経 の 話U

 
<参考文献>
 
                        * 「般若心経現代語訳」 東福寺派本願寺 ・ 稲栄和尚 (S10年)
 
                        * 「一切は空 ・ 般若心経」 天竜寺管長 ・ 平田精耕著 : 集英社
 
                        * 「般若心経」 妙心寺派龍源寺住職 ・ 松原哲明著 : 三修社
 
                        * 「般若心経」 ビギナーの為 ・ 遠藤誠著 : 現代書館
 
                        * 「こだわりを捨てる ・ 般若心経」 ひろさちや著 : 中央公論社
 
 
 
 
 

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 [33]   得 阿 耨 多 羅 貌 三 菩 提
 
【経文】
 
得阿耨多羅三貌三菩提
 
【読み方】
 
トクアノクタラサンミャクサンボダイ
 
【現代語訳】
 
阿耨多羅三貌三菩提を得る
 
 この上ない正しい完全な悟りを開かれました
 
 
 
(解説) : サンスクリット語 「アヌツターラ ・ サムヤック ・ サンボーディ」 の当て字で
 
「この上なく、正しく平等の、正しい悟り」 という意味である
 
 
<解説> 今回のキーワード 「無上の叡智」
 
「実に三世の諸仏たちは 般若波羅蜜多 ― 彼岸に到る六つの善い行い ― を
 
修せられるということがあったからこそ 無上の悟りを得ることができました」
 
般若心経の主文は この33句で終わりである
 
ここで内容を簡単にまとめておきたい
 
一口で言えば 「空」 の真理を説くお経である 
 
「空」 の解釈は人によって違ってくるが 
 
「空」 とは 「物事や現象 つまり一切の事象の存在の原理」 であると説明してきた
 
「とらわれてはいけない」 と言ってきたが 
 
実は 「とらわれなくてもすむ・とらわれる必要のない」 道理を説いているのである
 
だから 「存在」 の中に道理がある
 
存在の第一が 「無常」 : つまり世の中は移り変わってゆく 人は必ず死ぬ
 
               自分だけが生き残ることはない 即ち 「有りえない」
 
               ことゆえに 「有ることが容易でないから」=「有り難い」
 
               ということである
 
               「無常」 がわかるとは 「有り難さ」 に目覚めることである
 
 
存在の第二は 「無我」 : 単独ということはありえない 自分一人では何もできない
 
               聞いてくれる人がいるから話ができる 
 
               自分の力ではない
 
               つまり相互依存があるから 「おかげさま」 である
 
               「無我」がわかるとは 「おかげさま」 に気が付くことである
 
 
このお経がいう 「空即是色」 を生活用語でいえば 「もったいない」 ということでもある
 
 
                       
                                  2007年10月24日
 
 
 
 



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