つ じ 説 法

 
          <参考書籍>
 
            ・ 講 談 社 「禅語百話」 佐藤俊明 著
            ・ ごま書房 「一日一禅」 ひろさちや 著
            ・ 新 潮 社 「仏教とっておきの話」 ひろさちや 著
            ・ 淡 交 社 「禅語にしたしむ」 小堀卓巌 著
                         
                                 など、 主要新聞記事を含む
 
 
   「新婦驢に騎れば阿家牽く」           2012年03月01日 NO・162
(しんぷろにのればあこひく)


あなたは常識に とらわれすぎていないか
 
  
<解説>

首山省念(しゅざんしょうねん) という僧がいた 禅僧には珍しく 「法華経」 を好んだという

中国宋代の坊さんである

あるとき 彼は修行僧から問われた 「いかなるか是れ仏」(仏とはそもそも何か) といった問いである

むしろ 生き方としての仏教とは何か との意味である


首山は 「新婦 驢に騎れば 阿家 牽く」 と答えた

新婦とは新婚早々のお嫁さん 驢は驢馬 阿家は姑の意味である

つまり 嫁さんが驢馬に乗り 姑が手綱を引いて歩いている というわけだ


これはおかしい 今どきの若いお嫁さんならいざ知らず 普通は年長の姑が驢馬に乗り

嫁が手綱を引いて歩くところではないか

たとえば 社員がグリーン車に乗り 社長が普通車に乗っているのと同じで あべこべなのである

やはりわたしたちは 姑が驢馬に乗るべきだ 社長がグリーン車に乗るべきだと考えてしまう        


しかし 首山からすれば これは常識にとらわれすぎているのだ

疲れたら嫁が驢馬に乗り 姑が歩いてもよいのではないか

臨機応変に 対処できることの方が より人間的であるがままといえる

仏教とは そんな何ものにもとらわれない 自由な生き方をいうのだ と首山は言ってのけた




                          
 
 
 
  


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最終更新日:2012/03/01